2)オーガー(最深2m),検土杖(1m)調査およびピット調査の結果,リニアメントが比較的明瞭な,6面を切る断面(G3−G7,G13−G8)では,リニアメントを境に堆積物の層厚や構成に変化が見られ,断層による影響が認められた.扇状地堆積物(K13−K10,K6−K7,K5−K1,K14−K16)では明瞭な変化は見られないことから,断層は2m以深に埋没しているか,あるいは別の場所を通過しているかのいずれかである.また,市渡南部の大野川氾濫原にあたる断面(G16−G17)では顕著な変化は見られなかった.
3)以上の結果,市渡地域のトレンチ位置としては,市渡地区では円通寺より北へ観音神社付近までに限定される.トレンチ掘削によって確実に断層が捕捉されると推定されるのは,G3−G7,G13−G8付近である.