撓曲近傍の段丘および扇状地の構造を知るために,ハンドオーガーボーリングおよび検土杖による調査を実施し,深度1m〜2m前後の地質を把握した.
実施した地形面と孔番をしめす.なお,標高は1/2,500地形図からの読み取りである.
1面から3面にかけて Sk7,S6,S8,S5,S4 図3−7−1
2面から3面にかけて Mz−3,Mz−2, Mz−1 図3−7−2
3面から沖積層にかけて S3,S2,S1 図3−7−3
結論から先にのべると,ハンドオーガーおよび検土杖による調査で,断層変位を示唆するものは得られなかった.それは,段丘構成層が褐色ロームまたは白色粘土と鍵層に乏しいためである.
なお,当地域の表層地質状況と活断層の正確な位置を検討・確認するため,道立地下資源調査所では,桜岱南,北にピット調査を別途実施した.南のピットは礫層およびローム層(Ng,Ko−h)と黒色腐食層が観察された.礫層上面およびローム層中のテフラ層には数10cm程度の起伏は認められるものの,確実に断層を反映していると判断できる現象(例えば,変形の累積性)は,確認できなかった.また,北のピットでは,礫層及びそれを覆う砂層(いずれも沖積堆積物)がみられ,顕著な東方への礫層の配列が見られた.