沖積面は現河道からの比高が2〜8mで,下流域では段丘面にオーバーラップしている.
段丘面は,大まかに4つの面に区分される.それぞれ低位の面から平成8年度調査報告書の3面,2'面,2面,1面に相当する.3面は,添山〜桜岱から西方に広い分布を示す標高40〜20mの河成面であり,段丘堆積物(礫層)中にToyaテフラが確認されている.この面には,宗山川や戸切地川の旧河道や氾濫原とみられる沖積面がオーバーラップし,人工的な地形改変もあり両者の境界は不明瞭なことが多い.2'面は標高50〜25mで,宗山川から開いたような形態を示して分布する.テクトニックな撓みのためか,下流側の輪郭は極めて不明瞭である.2面は標高55〜35m程度の面で,平野側に傾いている.南へ隣接する海岸の富川地域では,海成面であるがこの地域では不明確である.1面は,標高80〜60m程度の面であり,この地域で最も高位で,かつ広い分布を示す段丘面である.平成8年度報告書では,これらの離水年代は,3面が80ka,2面が100〜120ka,1面が120ka以前とされている.
添山の沖積面および桜岱の2'面は,文化財(縄文時代)埋蔵地である.また,2'面は,かつてセメント用粘土の採取が行われ,地形面は乱されている.