各測線におけるブーゲ異常をみると,全体的にブーゲ異常はなめらかに分布してはいないものの,注意深くみると断層の近傍でブーゲ異常値が相対的にHighやLowになっている.測線Aでは1A−3断層の西側でわずかにLowになっている.測線Bでも1A−3断層の西側で測線Aと同様わずかであるがLowになっている.さらに西側の1E,1B,1C,1D断層においても,ブーゲ異常に変化がみられる.測線Cでは1A−3断層の東側でHighになっているが,1D断層の西側でもややHighになっている.測線Dはリニアメントがみられていない1D断層の西側でHighになっている.測線Eでは1A−4断層では断層からやや西へ離れたところでHighになっているが,2A−1断層ではすぐ西側でLowになっている.測線Fでは2C−1断層付近がHighになっている.
このようにそれぞれの測線ではブーゲ異常が断層付近で複雑になっているため,地下浅所における断層構造は複雑であり単純なモデルでは説明できないかもしれない.