5−3−1 神川・平井両断層の関係

前項において、それぞれの断層で最終活動時期を推定した。その結果より、神川、平井量断層の最終活動時期は精度からみて、ほぼ一致していると考えることができる。

前述の内容より、平井断層でみられたシルト層の2m変位は、一回の活動で生じた可能性が高い。そのため、経験的に求められている関係式を用いて、それから推定される今回の地震エネルギーを推定すると、以下のようになる。

logD=0.6M−4(Dは変位量(m)、Mはマグニチュード)(松田;1970)

今回の変位量は約2mであったので、その結果を当てはめると、

M=(log2+4)/0.6=7.15

という結果になり、2mの変位量を生じた最新イベントのエネルギーは、マグニチュード7.2程度と推定される。この結果からすれば、平井、神川両断層は直線距離にして、わずか3.5km程度であるため、個別に運動していたとは考えにくく、逆に活動するときは同時に活動する可能性が高いと言えよう。