前述の内容より、平井断層でみられたシルト層の2m変位は、一回の活動で生じた可能性が高い。そのため、経験的に求められている関係式を用いて、それから推定される今回の地震エネルギーを推定すると、以下のようになる。
logD=0.6M−4(Dは変位量(m)、Mはマグニチュード)(松田;1970)
今回の変位量は約2mであったので、その結果を当てはめると、
M=(log2+4)/0.6=7.15
という結果になり、2mの変位量を生じた最新イベントのエネルギーは、マグニチュード7.2程度と推定される。この結果からすれば、平井、神川両断層は直線距離にして、わずか3.5km程度であるため、個別に運動していたとは考えにくく、逆に活動するときは同時に活動する可能性が高いと言えよう。