地震探査は、地下に向けて人工的に発生させた地震波が、地質や構造の境界で、反射する性質を利用して、地下の構造を推定するものである。測線を想定される断層に対し横断方向に配置し、測定した結果、断層想定位置に反射面の不連続が認められたほか、他の部分にも、反射面の不連続が認められた(詳しくは前項3.4を参照)。
電気探査は、地質構造の違いによって生じる比抵抗構造の差違から、断層破砕帯等の検出を目的とするものである。結果は、一部地域で新第三紀層の基盤深度の明らかな差違が認められた(詳しくは前項3.5を参照)。以上の成果は深部構造について明らかになったものであり、最終活動時期を推定するのに有効な浅層の詳細構造は、明らかになってはいなかった。
平成9年度調査では、上記結果を踏まえて断層による変位または堆積構造を直接目視し、確認することを目的とし、高密度ボーリングとトレンチ調査を実施した。