表4−2−1 平井断層における平成8年度地区別探査結果とトレンチ候補地としての適性
保美1地区
高密度電気探査の結果が思わしくないため、それ以降の調査は行っていない。そのため、トレンチ調査候補地点としては不適である。
保美2地区
高密度電気探査では、断層の存在を裏付けるはっきりとした結果を得ることはできなかった。しかし、続いて行ったボーリングによって、比較的細粒な堆積物で構成されていることがわかった。また、テフラ層についてもYP、BPの2層が確認され、年代分析用試料が豊富なことから、トレンチは可能であると推定される。
金井地区
オーガーボーリングの結果では、新しくて細粒な堆積物は薄く、テフラ層も認められなかった。そのためトレンチ調査地点としては不適と考えられる。
西平井地区
リニアメント上で、同一段丘の標高が異なっており、断層地形は明瞭である。しかしテフラの追跡が困難であり、断層推定位置近傍に道路が通っているため、地層中に断層運動に伴う活動履歴が保存されていない可能性が高い。そのためトレンチ調査地点として不適であると推定される。
多比良地区
テフラ層が薄く、また、細粒な堆積物も薄いため、地層中に断層運動に伴う、活動履歴が残されている可能性が低い。そのためトレンチ調査地点として不適であると考えられる。
以上の結果から今年度、平井断層においてトレンチ掘削を行うのにもっとも適した地点は、保美2地区であると考えられた。