(1)目的
本調査の最終的な目的は、トレンチにより、活断層の活動周期及び最終イベントを決めることである。このためにはトレンチ地点の地層の層序及び年代の決定が不可欠である。テフラの分析はこの年代決定の一つの手段として行うものである。テフラは瞬時性、広域性という特質があるため、古くから地層の対比に使われてきた。近年テフラを用いた編年法すなわちテフロクロノロジーが発達し、ローカルなテフラと広域テフラとの対比及び層序の決定がされ、広域テフラはもとより、ローカルなテフラの絶対年代が推定できるようになっている。本調査地域では、広域テフラ及びローカルなテフラが多数見られ、テフラの分析によるテフラの同定は、調査地域さらにはトレンチ地点付近の地層の年代決定には極めて有効である。