南西部の山地は200−500m程度の山地が連なっており、関東山地の北端部を構成している。
調査地域中部には、なだらかな丘陵地が広がっている。これは、その地域を構成する第三紀の比較的軟質な岩石からなる地質を反映しているものである。また、庚申山丘陵などを巧みに利用して、灌漑用の貯水池が多数、設けられている。
調査地域北部には平坦面が広がるが、丘陵地が島状に侵食され、残丘となって残っている。
平坦面には、主に上記の主要河川により形成された段丘面が3面認められる。これらは高位面から、T、U、V面に区分できる。
調査地域中央部を北東に流下する鮎川は、接峰面図からも明らかなように、必従河川として現在の地勢を形成するに当たって主要な役割を果たしたと考えられる。流域の地質は、鮎川上流においては結晶片岩が分布し、中流から下流にかけては新第三紀層と、これを不整合に覆い、平坦面を形成する段丘砂礫層が分布する。
調査地域南部を東流する三名川は、山地部分と段丘面との変曲線上を流下する河川である。この流域では平坦面を形成する砂礫から構成される段丘砂礫層と、新第三紀層を構成するシルト岩、三波川帯の結晶片岩類が分布する。
以上で述べたように、調査地域南部の山地には、中・古生層の三波川帯の結晶片岩類が分布する。中部から北部にかけての丘陵には保美、竹沼、三名、庚申山などの新第三紀層の堆積岩類が分布する。また、北部の段丘面には第四紀の段丘堆積物を主体とする砂礫が堆積し、さらに現河川に沿った低地には第四紀のいわゆる沖積層が分布する。
以上の表にまとめて整理する。
表3−3−1 地質概査結果一覧
図3−3−1 地質についての概略図