新井(1962)は,関東盆地北西の第四紀編年について試案を提示し,同時に日本の第四紀の標準地域である南関東地域との対比について厳密な対比を試みた。その中で藤岡台地に関しては,台地上には粘土層の発達が見られ,浅間起源の軽石層(浅間板鼻黄色;YP,浅間板鼻褐色;BP)が広く明瞭に認められる。更にBPより下部に発達する粘土層を下部粘土層,BPより上部に含まれる粘土層を上部粘土層と命名した。
新井(1979)は関東地方北西地域の完新世のテフラのうち,浅間火山,榛名火山を噴出源とする主要なものについて,分類と層序を確立し,それぞれの特徴や分布の大要を示した。更に古記録,土器,炭素同位体の測定等から各テフラの形成年代を考察した。
一方,広域テフラと浅間起源のテフラとの対比,各テフラの詳しい分析データは町田・新井(1992)で詳しく触れられている。