神川断層
矢場A地区では第1回委員会で指導された南側部分を主体とした高密度ボーリング調査を行った。その結果、南側部分は変形していない可能性が高いことがわかった。
矢場B地区では、トレンチ調査の結果,BPテフラを含む層が崩壊し、堆積構造が乱れていることがわかった。その一方で、ボーリング調査では基盤のシルト岩、凝灰岩の基盤上面深度には、変化が認められなかった。
平井断層
保美地区の簡易トレンチ調査では、基盤、段丘砂礫層及び砂混じりシルト層のいずれも、明瞭な変形は認められなかった。しかし、基盤部には断層の影響とみられる亀裂が発達していた。
トレンチ箇所近傍の農道切土部分、及び河道切替工事で、断層露頭が認められた。これらの露頭では、基盤の泥岩とこれを被覆する、段丘砂礫層が断層によって変位しているのが認められる。
神川・平井両断層の活動
両断層の最終活動時期は、およそ2万年〜0.8万年と推定した。しかし、これよりも古い可能性もある。両断層は、位置的に近く、方向性、活動時期も同じであり、活動は連動しているものと推定した。
両断層の活動間隔は、確認できていない。今後の調査研究(埼玉県側の延長部、近傍の断層)成果を待って、検討する必要がある。
以上2断層の調査結果について、平成8年度調査と今年度調査成果を加えた概要を、次ページに示す。
表1−2−2 平成8年度及び9年度調査成果概要表