見掛け比抵抗は、測線始点側表層で100 Ω・m程度を示し、測線中央付近の盛土(周囲の田地より一段高くなった面)において表層よりGL−10 m付近まで100 〜250 Ω・m以上を示す。その他は概ね50Ω・m以下である。
比抵抗断面から次のことが言える。
・始点側の田地において表層部に層厚5〜10m程度で100Ω・m以上の高比抵抗部が認められ、始点側程層厚が厚くなる傾向にある。
・測線終点側の田地では表層より層厚2〜3m程度で100 Ω・m以上の高比抵抗部が認められる。
・測線中央の盛土部では表層より250 Ω・m以上の高比抵抗部が舌状に下方に延びている。しかし、高比抵抗と推定される盛土は層厚3〜5m程度であり、その下位は、解析上この盛土の高比抵抗部の影響を受けていると推定され、真の比抵抗値を反映していないと推定される。
地質解釈として次のことが言える。
・盛土の両側の表層に分布する高比抵抗部「H」が段丘砂礫層と推定され、測線南側(始点側)で層厚を増す傾向にある。
・この「H」の下位には「LL」が分布し第三紀層と推定される。
地形上では断層は推定されないが、測線中央部の盛土の両側で表層の低比抵抗部の厚さに変化が見られ、断層による落差あるいは侵食の違いによるものという可能性がある。