現場作業においては受振点間隔と同じか、あるいはその2倍の間隔で発震作業を行い、同時に一般的には48ch以上の記録を取得する。発震にはダイナマイトや人工震源装置が用いられる。記録はデジタル探査機で磁気テープ等に取得することで、電算処理を可能にしている。
反射法の基本原理を、図2−3−2データの取得方法、図2−3−3共通反射点について、図2−3−4CMP重合法の原理に示す。
データ処理法は、精度良く地下をイメージングするために、S/N比と分解能の向上が主目的である。最終的な断面は反射記録を並べて反射断面図を作成する。この反射断面図から地下の構造を把握することが可能となる。
Sは発震点を示し、Rは受振点を示す。Sから発震された波は、図のような波線で地層面から反射してRに入射する。地層面の上の反射点は水平層なら、SとRとの中点になる。S,Rを矢印方向に移動させ記録を取得して行く。
図2−3−2データの取得方法
発震点と受振点の中点が共通で震央距離(発震点から受振点までの距離)が様々である反射記録の集まり(これをCMPアンサンブルと呼ぶ)を考える。この共通の中点をCMP(共通中点と呼ぶ)。また、共通中点直下の共通反射点をCDPと呼ぶ。一つの共通反射点に注目した場合、図のような経路の波線を通った記録が取得される。データ処理では、現場で取得された記録を共通反射点毎に並び替えを行い処理を進める。
図2−3−3共通反射点について
地層が水平構造の時、弾性波は発震点と受振点の中点の真下で反射する。
すなわち発震点S1からの波は反射点Dで反射し受振点R1で記録され、同様にS2〜S6からの波は同じDで反射しそれぞれR2〜R6で記録される(a)。これらの記録のCMPアンサンブルは、共通反射点Dからの反射波で構成されている(b)。そこで発震点と受振点間の距離(オフセット距離)の違いによる走時を補正してc,たし合わせることにより反射波を強調させることができる(d)。(「図解 物理探査」より転載)
図2−3−4CMP重合法の原理