2−2−1 地質概要

調査地域は大きく分けて南西部の関東山地と、中部から北部の丘陵、平地を主体とする地域に区分される。山地と丘陵との境界は明瞭で、北西−南東方向に明確なリニアメント(線状模様)が存在する。活断層は、このリニアメントに沿う形で分布するが、段丘面上で一部不明瞭となっている。主要河川は、埼玉県との境界を北東方向に流下する神流川、調査地中央を流下する鮎川があげられる。調査地域中央部を流れる鮎川は、鏑川と合流した後、高崎市付近で烏川と合流する。

南西部の山地は200−500m程度の山地が連なっており、関東山地の北端部を構成している。

調査地域中部には、なだらかな丘陵地が広がっている。これは、その地域を構成する第三紀の比較的軟質な岩石からなる地質を反映しているものである。また、庚申山丘陵などを巧みに利用して、灌漑用の貯水池が多数、設けられている。

調査地域北部には平坦面が広がるが、丘陵地が島状に侵食され、残丘となって残っている。

平坦面には、主に上記の主要河川により形成された段丘面が3面認められる。これらは高位面から、T、U、V面に区分できる。

調査地域中央部を北東に流下する鮎川は、接峰面図からも明らかなように、必従河川として現在の地勢を形成するに当たって主要な役割を果たしたと考えられる。流域の地質は、鮎川上流においては結晶片岩が分布し、中流から下流にかけては新第三紀層と、これを不整合に覆い、平坦面を形成する段丘砂礫層が分布する。

調査地域南部を東流する三名川は、山地部分と段丘面との変曲線上を流下する河川である。この流域では平坦面を形成する砂礫から構成される段丘砂礫層と、新第三紀層を構成するシルト岩、三波川帯の結晶片岩類が分布する。

以上で述べたように、調査地域南部の山地には、中・古生層の三波川帯の結晶片岩類が分布する。中部から北部にかけての丘陵には保美、竹沼、三名、庚申山などの新第三紀層の堆積岩類が分布する。また、北部の段丘面には第四紀の段丘堆積物を主体とする砂礫が堆積し、さらに現河川に沿った低地には第四紀のいわゆる沖積層が分布する。

以上の表にまとめて整理し、調査地域の概略地質を示す。

表2−2−1地質概査結果一覧

図2−2−1地質についての概略図