(4)水系

1 神流川

関東山地北西部の三国山(1818m)の北麓を水源にして、群馬県の南西部を北東に向かって流下し、新町付近で烏川に合流している。上流では峡谷であり、下久保ダム(神流湖)等の水利施設、三波石峡等の名勝がある。調査地域内で最も大きい河川の一つであり、調査地域東端に位置し、広い沖積面及び段丘面を形成している。とくに、埼玉県側にその傾向が顕著である。上流から中流にかけては、秩父層群、三波川結晶片岩が分布する。下流では新第三紀層と、その上部を被覆し、平坦面を形成する段丘砂礫層が分布する。また、河川に沿って沖積低地が分布する。

2 鮎川

杖植峠の東方を水源として深いV字谷を刻みながら、赤久縄山、西御荷鉾山、東御荷鉾山埜麓を北東方向に流下する。日野金井までは、峡谷をつくっている。日野金井からは流路を北向きに変え、上落合において鏑川に合流する。調査地域内中央部を北東方向に流下している。また、接峰面図からも明らかなように、T面の堆積時から本河川は存在していたと考えられ、必従河川として現在の地勢を形成するに当たって主要な役割を果たしたと考えられる。流域の地質は、鮎川上流においては結晶片岩が分布し、中流から下流にかけては新第三紀層と、その上部を被覆し、平坦面を形成する段丘砂礫層が分布する。また、河川に沿って沖積低地が分布する。

3 三名川

藤岡市の椚山南方の谷を源流として、途中、藤岡市高山中付近までは北流し、そこから1kmほど東流した後、鮎川湖付近まで再び北流する。その後、東に向きを変え、藤岡市牛田付近で神流川に合流している。上流域はかなりの急勾配で浸食作用が激しく、V字谷をつくっている。流域に分布する岩石は、上流から中流にかけて三波川結晶片岩類が分布し、下流部には第三紀富岡層群の堆積岩類が分布する。

4 鏑川

長野県境の矢川峠付近から流下する西牧川と、荒舟山南方の余地峠の北側を源流とする南牧川とが、下仁田付近で合流し、鏑川となっている。調査地北部ではT面及びU面の段丘面が発達している。

調査地域南部を東流する三名川は、山地部分と段丘面との変曲線上を流下する河川である。この流域では平坦面を形成する砂礫から構成される段丘砂礫層と、新第三紀層を構成するシルト岩、三波川帯の結晶片岩類が分布する。