4−3−4 手賀野断層

手賀野断層は,全区間で第四紀後期に活動した可能性が高い。北東部の約4.5km区間は段丘面や土石流堆積面にほぼ連続して変位地形が認められるが,南西部の約3km区間は変位地形が断片的かつ不明瞭である。いくつかの地形面の累積変位量から平均変位速度を求めると,北東部におけるM1面形成以降では0.12〜0.16m/千年、H1面形成以降M1面形成までで0.07〜0.11m/千年,南西部におけるH1面形成以降では0.02〜0.04m/千年であり,北東部と南西部では活動性に違いがあることが分かる。

手賀野断層ではトレンチ調査で地震イベントに関する直接的証拠が得られていない。今後の課題として,断層の活動性に関するパラメータ(最新活動時期,平均変位速度,単位変位量,活動間隔など)を得ることが挙げられる。具体的には,平成12年度調査で第1候補地点であったが,地元情勢により調査実施できなかった手賀野地点で,トレンチ調査やボーリング調査および反射法探査などの実施可能性を再検討する。