平成１１年度の調査では屏風山断層全域の空中写真判読３２ｋｍ２と地表踏査（概査）１６ｋｍ２を実施し，中垣外南東地点において地表踏査（精査）０．５ｋｍ２を実施した。調査結果から屏風山断層について下記のことが明らかになった。
@屏風山断層は，第四紀後期に形成された地形面における断層変位地形の有無やリニアメントの明瞭さおよび断層露頭から南西部と北東部に区分され，南西部と北東部は活動性に違いがあると考えられる。
A南西部は瑞浪市稲津町小里から恵那市浜井場に至る長さ約１８ｋｍの区間で，断層を横断する土石流堆積面に変位地形が認められない。南西部は第四紀後期に活動した可能性が低い。
B北東部は恵那市浜井場から中津川市霧ヶ原に至る長さ約１４ｋｍの区間である。中津川市中垣外南東地点で，花崗岩と更新世前期〜中期の土石流堆積層の断層露頭がみられたほか，断層を横切る土石流堆積面に変位地形が認められる。北東部の一部は第四紀後期に活動した可能性が高い。