トレンチ調査を実施した手賀野断層中垣外地点の地形面は古いものから中位段丘面(以下M1面とする),土石流堆積面および沖積錐面・崖錐斜面(以下dt面とする)に区分される。土石流堆積面は高位のものからF4−1面,F4−2面,F4−3面,F4−4面,F4−5面に細分される。手賀野断層による変位地形はM1面,F4−1面,F4−2面,F4−3面,F4−4面で認められ,F4−5面の一部にも変位地形の可能性がある低崖が認められる。T1トレンチはF4−5面の低断層崖様の低崖地形を挟んで掘削した。T2トレンチはF4−5面のうち変位地形のない箇所で掘削した。T3トレンチはF4−3面の撓曲崖様の低崖地形を挟んで掘削した。
以下の地質記載では,各々のトレンチで下位からA,B,C・・・という地層区分名を用いているが,これは便宜的にトレンチ毎で使用しているものである。トレンチ間の地層の対比は3−1−6で後述する。