(3)木曽川泥流とL1−1面構成層との関係
前述したように,中津川市角田北方においてM2面構成層の上に直接木曽川泥流堆積物がのっているのが確認された(図3−1−2−2,写真3−1−2−5)。しかし,角田北方付近ではM2面は侵食され現存していない。M2面が分布する津島神社より南におけるM2面の傾斜から推定すれば,角田北方付近では標高約320mにM2面が分布していたはずである。上述した露頭におけるM2面構成層と木曽川泥流堆積物の境界は,L1−1面が分布する標高約310mであるから,M2面およびその構成層が,L1−1面近くまで浸食された後に,木曽川泥流が堆積したものと考えられる。木曽川泥流堆積物は,中津川市大岩の北斜面(標高305〜320m),津島神社付近(標高315殻18m),駒場付近(標高308〜315m)に分布する。また,調査範囲外ではあるが,中津川市東部の北野町の道路法面上方に分布する木曽川泥流堆積物は,標高約320mに小規模な平坦面を形成している。以上から,木曽川泥流堆積面の標高は約320mであると推定される。
L1−1面は調査範囲南側で標高330,北側に緩やかに傾斜し北端部で標高305mである。従って,L1−1面堆積層は,木曽川泥流堆積層が浸食された後に堆積したことものと判断される(図3−1−2−3参照)。