委員会では、H1層が急傾斜する原因として、次の2つの見解が出された。
@トレンチ下方に断層があり、その活動の影響を受けて変形を被った。
A洪水流などが地形の傾斜に沿って流下した時に堆積した。
このトレンチで認められる活動性については、@の見解であれば約13,000年前〜約3,500年前(F2面構成層堆積後〜F4面構成層堆積前)に活動履歴が認められる、Aであれば、約13,000年前前(F2面構成層堆積時)以降には活動は認められない。
断層南西部ではfd0層より新しい土石流堆積層が形成する地形面に変位地形は認められない。それらの地形面のうち、F3(2)面の構成層中にはDNP(大山生竹;約8.0万年前)が含まれる可能性が高い。このことから、少なくとも8.0万年以降は活動していないと判断される。