(3)平均変位速度

南西部の後田地点ではH1面に6〜7mの累積変位が認められ、この変位量から南西部の平均変位速度を算出すると0.02〜0.04m/千年となる(図3−1−10参照)。

北東部の深沢地点では、H1面で約26m、M1面(K−Tz降灰期:75〜95千年前)で約12mの地形変位量が認められる。H1面形成以降M1面形成までの平均変位速度を算出すると、0.07〜0.10m/千年となる。

最も変位地形の明瞭な手賀野地点では、M1面で12〜13m、M2面(50〜75千年前)で10〜11m、L1面(AT降灰期:22〜25千年前)で5〜6mの変位量が認められる。手賀野地区の平均変位速度を検討すると、0.1〜0.13m/千年なる。

これは上述したH1面形成以降M1面形成までの平均変位速度よりやや大きい値である。L1面以降については、単純に原点を結べば約0.23m/千年とさらに大きい値が見積もられる。これより新しいV1〜V5面の年代について有効な年代資料が得られなかったので、今後の課題でもある。