3−2−3 屏風山断層北東部 まとめ

屏風山断層北東部は、中垣外南東地点の約3q区間で撓曲崖や断層崖が認められるが、その他の区間では変位地形は認められない。新期の土石流堆積面に撓曲崖が認められる中垣外南東地点において高位段丘相当かそれ以前の堆積物であるfd1層を切る逆断層露頭が確認された。この断層露頭を含む地質断層線の延長線上に、F2・F3面を横断して撓曲崖が断続的に約900m区間で認められるが、F4面およびそれより新しい地形面には、撓曲崖は認められない。F5面構成層中に含まれていた腐植の14C年代は3,560yBP〜2,970yBPを示す。

中垣外南東地点においてF2面の撓曲崖部分でトレンチ調査を実施した。崖地形部分でF2面構成層最上位のシルト層が急傾斜になる現象が認められた。

委員会では、H1層が急傾斜する原因として、次の2つの見解が出された。

@トレンチ下方に断層があり、その活動の影響を受けて変形を被った。

A洪水流などが地形の傾斜に沿って流下した時に堆積した。

このトレンチで認められる活動性については、@の見解であれば約13,000年前〜約3,500年前(F2面構成層堆積後〜F4面構成層堆積前)に活動履歴が認められる、Aであれば、約13,000年前前(F2面構成層堆積時)以降には活動は認められない。