(2)TP2

L1面を解析したV2面の年代を特定する目的で深さ1.5mのピットを掘削。締まりのゆるい砂礫層とそれを削り込んで堆積した砂層が分布する。火山灰分析では年代は特定できなかった(図3−1−8)。

TP2ピットに出現する地質は上位からA層、B層およびC層に区分される。A層は耕土で、深度0.0〜0.5mに分布する。B層は深度0.5〜0.8mに分布する砂層で、V2面構成層と判断される。C層は深度0.8〜1.5mに分布する砂礫層で、L1面構成層と判断される。

14C年代測定測定が可能な炭質物は含まれていなかった。

A層:耕土(深度0.0〜0.5m)

黒褐(10YR2/2)を呈する耕土からなる。

B層:砂(深度0.5〜0.8m)

細粒砂主体で,一部に粗粒砂を含む。わずかに礫を含む。現世の植物根の混入多い。

黄褐(2.5Y5/6)や明黄褐(2.5Y6/6, 2.5Y6/8)およびにぶい黄(2.5Y6/4)を呈する。

C層:砂礫(深度0.8〜1.5m)

締まりのゆるい砂礫からなる。径5〜15cmの濃飛流紋岩,美濃帯砂岩,チャートおよび花崗岩の亜円礫主体の砂礫からなる。礫は一般に硬質である。径20〜50cmの角礫をわずかに含む。礫含有率は40〜50%と高い。マトリックスはさらさらした粗粒砂で,色は黄褐(2.5Y5/3, 2.5Y5/4, 2.5Y5/6)を呈する。本層は、層相的にTP1ピットのC層に類似することからL1面構成層と判断される。