(1)残留磁化方位測定
一般に岩石が特定の方向を示す磁化を有することはよく知られている。磁化の獲得機構は、その岩石のでき方によって異なっており、火成岩の場合は、温度が高い状態から徐々に冷え固まる過程で、岩石中に含まれる強磁性鉱物が磁化を獲得する(熱残留磁化)。堆積岩の場合は、磁性鉱物が水中を浮遊・落下し堆積面に沈着する過程で、その時の地球磁場に影響され、特定の方向に配列することにより磁化を獲得する(堆積残留磁化)。従って、もともと同じ傾斜角度などの条件で堆積した地層が、堆積の後に変形したような場合は、その変形に応じて残留磁化方位も変化する。測定は、富山大学理学部の超伝導磁力計を使用して行った。