監督員および委員の指示により、トレンチ掘削用地および掘削残土置場等の作業用地を設定する。境界設定に当たっては、正確に復旧できるように杭等で目印を付ける。
A掘削残土の保管
掘削残土は表層の耕土および土壌と、それ以下の段丘堆積物を区別し、雨により流れ出したり、崩壊の危険がないように、また同時に、トレンチの埋め戻しに支障をきたさないように、シートを掛けるなどして適切に保管する。
B排水
トレンチ中の湧水は水中ポンプを用いて排水する。排水に当たっては集水溝や水田への砂泥流入等が発生しないように、万全を期す。
Cトレンチの整形
掘削したトレンチ法面は地質の詳細な観察ができるように人力で余分な土石を排除し、平滑に整形する。必要であれば壁面を水で洗う。
Dグリッドの設定
整形したトレンチ法面には、観察およびスケッチの座標として1mメッシュのグリッドを設ける。
Eトレンチ法面の観察およびスケッチ
以下の点に留意して実施する。
観察の範囲は整形した法面全てとする。スケッチの縮尺は20分の1あるいは50分の1とし、観察精度の必要性によって決める。観察は肉眼で識別でき、かつ所定の縮尺でスケッチに表現できる精度の単層毎に地層を区分し、単層毎の層相・変形構造・堆積構造、地層境界の形状、層位関係、断層・亀裂、動植物遺体、液状化、考古遺物等について行う。
F現場管理
調査用地の保全および安全管理を適切に行う。特にトレンチ周囲にはロープを張り、関係者以外のものが無断で立ち入らないようにする。また、降雨等により法面が崩壊する恐れがある場合には、法面をシートで覆い崩壊を防ぐ。
G看板の設置
調査用地近くには、調査名、調査機関、発注者名、請負者名、現場責任者名、連絡先等を記した看板を掲示する。
H調査用地の復旧および撤収
トレンチの埋め戻しは、掘削残土を転圧して十分に突き固めながら慎重に行う。復旧終了後は、直ちに仮設物・工事機器等を撤去する。