(1)屏風山断層

屏風山断層は,主に花崗岩からなる起伏の大きな山地と,新第三系(瑞浪層群,瀬戸層群)や第四系(段丘堆積層,土石流堆積層)からなる起伏の小さい丘陵地の境界に遷緩線として判読される。この断層は,変位地形の有無やリニアメントの明瞭さから,瑞浪市稲津町小里から恵那市浜井場に至る南西部(長さ約18q)と,恵那市浜井場から中津川市霧ヶ原南西に至る北東部(長さ約14km)に区分される。

屏風山断層南西部には,屏風山断層を横断して高位段丘面や中位段丘面に相当するとみられる土石流堆積面が認められた。これらの地形面には断層変位地形は認められなかった。

屏風山断層北東部は,中津川市中垣内南東で花崗岩とクサリ礫化した土石流堆積層(高位段丘相当)を境する断層露頭が確認され,断層を横断してそれより新期の土石流堆積面に撓曲崖が認められた。そのほかの区間では変位地形は認められていない。