1−6−6 猿投山北断層

猿投山北断層は,「新版 日本の活断層(1991)」によれば,確実度T〜U,活動度B,長さ21q,尾根・谷の屈曲や高度不連続などが認められると記載されている。

今回の調査によれば,猿投山北断層は愛知県豊田市広幡町から土岐市曽木町北方に至る長さ約21kmの断層で,岐阜県側では長さ約11kmである。リニアメントは山地/谷底平野の境界部,直線状谷,尾根・谷などの100〜250m右横ずれ屈曲が判読され(Loc.25,Loc.27,Loc.29),全体に明瞭である。柿野温泉北方では沢の閉塞に起因すると考えられる湿地が形成されている(Loc.25)ほか,曽木付近では土石流堆積面に低断層崖様地形が認められる。ほぼ全区間にわたり第四紀後期に活動した可能性が高いもしくはあると判断される。