今回の調査によれば, 屏風山断層は断層中央部を流れる阿木川付近で不連続となり南西部(長さ約18q)と北東部(長さ約14q)に2分される。
同断層北東部の中津川中核工業団地南側で,花崗岩と土石流堆積層fdTを境する断層露頭(BY−35)が確認され,さらに同地点を含む飯沼川から中津川にかけての約7km区間において,土石流堆積面(F2面,F3面)に低断層崖や撓曲崖様の地形が認められた(Loc.8)。fdTの堆積年代は,同堆積物がくさり礫からなることから高位段丘相当と考えられ,この区間で第四紀後期に活動した可能性が高いことが明らかになった。
一方,同断層南西部の小里川から阿木川にかけての約18km区間では,第四紀後期の地形面に明瞭な変位地形は認められない。