7−3 単位変位量についての検討

1回あたりの横ずれ量、縦ずれ量を正確に得るためには、断層による微細な変位、変形の全容を明らかにする必要がある。平成11年度の調査の結果、牧ヶ洞断層は横ずれが卓越している可能性が指摘されているので、トレンチ調査だけでは横ずれ変位量を評価できない可能性が高い。

そのためには、断層沿いの微細な地形の区分をし、横ずれおよび縦ずれの変位地形から単位変位量と累積性の変位量を分離して、1回あたりの断層変位量について検討する必要がある。

したがって、来年度は、断層沿いに精密測量を実施することが望ましい。

また、トレンチ調査においても、断層の両側で連続性を確認できる地層を探し、単位変位量を求めることに努める必要がある。

得られた単位変位量から変位の縦横比を求める。

なお、平均変位速度、想定マグニチュード、長期予測については、上記の地震活動パラメーターが正確に求まれば、確かな成果を得ることができるものと考える。