牧ヶ洞断層は横ずれ成分が卓越する可能性があるため、トレンチ調査のみでは単位変位量を把握することは難しく、河川の屈曲等の微地形を詳細に解析することが極めて重要である。
しかし、現存する地形図が縮尺S=1/5,000のみであるため、前述の微地形がうまく表現されていない。
牧ヶ洞断層による変位地形の形状(分離丘・微高地、チャネルの右横ずれ屈曲、凹地化した湿地帯など)をさらに明確なものとし、活動性(平均変位速度・最新活動時期・単位変位量・地震再来間隔)の諸元を明らかにするためには、大縮尺の精密な地形図が必要である。
以上の経緯により、空中写真の図化を実施し、縮尺S=1/500程度の地形図を作成した。