5−1 作業実施の経緯

調査地区は清見村村有林内にあり、土地の改変を比較的免れているため、分離丘・微高地、チャネルの右横ずれ屈曲、凹地化した湿地帯などの断層活動に起因すると考えられる原地形がよく保存されている。

牧ヶ洞断層は横ずれ成分が卓越する可能性があるため、トレンチ調査のみでは単位変位量を把握することは難しく、河川の屈曲等の微地形を詳細に解析することが極めて重要である。

しかし、現存する地形図が縮尺S=1/5,000のみであるため、前述の微地形がうまく表現されていない。

牧ヶ洞断層による変位地形の形状(分離丘・微高地、チャネルの右横ずれ屈曲、凹地化した湿地帯など)をさらに明確なものとし、活動性(平均変位速度・最新活動時期・単位変位量・地震再来間隔)の諸元を明らかにするためには、大縮尺の精密な地形図が必要である。

以上の経緯により、空中写真の図化を実施し、縮尺S=1/500程度の地形図を作成した。