反対側への連続性については、NE面の最上部の大礫の北西側直近の強腐植土はC層下部のC−c層もしくはC−d層の可能性が高い。仮に、それらの強腐植土がC層下部であれば、SW面と比べてNE面では、 U字状をなすC−d層の基底レベルが約45cm高いことになる。したがって、浅いU字状をなす堆積物は次第に層厚を減じながら北東方向へと連続することになる。No.3トレンチ、No.4トレンチの壁面でC層が分布しないこととも矛盾しない。
前述したように、C−d層は浅いU字状にわん曲していること、F1断層の位置でC−d層の最下部が垂れ込んだような形状をなし、その中に材が横向きに入っていること、C層下部の浅いU字状をなす部分はF1断層とF2断層による断層帯の直上に分布すること、C−d層の下面には下位の層を削り込んだ形跡が認めらないこと、わん曲したC−d層の凹みをC−c層が埋積して全体として浅いU字状をなすこと、などを総合的に考慮すると(写真4−6)、C−d層は堆積後に、花弁構造(フラワーストラクチャー)のような上方へ向かって開く断層の動きにともなって落ち込み撓んだ可能性が高いと思われる。