基盤岩の破砕帯は、No.1トレンチ、No.4トレンチの両壁面最下部およびトレンチ底で認められる。No.1トレンチでは、断層面から約50cm間では緑色を帯びた灰黄色であるが、断層面から離れるにしたがって青白色〜青灰色粘土へと変化する。断層面から2mの間は著しく粘土化し、原岩組織は完全に失われているが、断層面から離れるにしたがって岩組織が認められるようになる。No.4トレンチでは、断層面から約1.5mの間で、白色〜青白色粘土化が進んでいる。特にNE面の断層面近傍では、白色化が顕著である。No.1トレンチ、No.4トレンチのいずれにおいても粘性が非常に高い。
No.1トレンチNE面の断層面から南東へ3m離れた基盤岩中で計測した鏡肌(スリッケンサイト)の走向傾斜はN77°E・65°Sで、そこに見られる条線の方向は西へ7°上がっていた(写真4−5)。
写真4−5 No.1トレンチNE面の断層破砕帯中に見られる鏡肌と条線