No.4トレンチSW面にのみ分布する。黒色を呈し、非常に柔らかい。D層との境界でD−a層、一部D−b層と接する。強腐植土のため上下の層との境界は明瞭である。薄層状を呈し、全体としてごく緩やかに南東に傾斜している。
No.4トレンチSW面および同NE面でみられる。基質は腐植分を帯びた粘土で、やや柔らかい。礫径1〜2.5cmの小角礫が主体である。礫の含有率が高いのと、色調がやや緑色を帯びた茶灰色を呈するのが特徴で、他の層と区分できる。周囲の層との境界はやや不明瞭である。NE面では、くさび状のF層中の2カ所で認められる。
No.4トレンチSW面および同NE面でみられる。非常に柔らかく、粘性が高い。暗灰色粘土と灰白色粘土が複雑に混じっており、練り返したような粘土であることが特徴で、他の層と区分できる。小角礫が点在する。周囲の層との境界はやや不明瞭である。
・F−d層:腐植土(写真4−8)
No.4トレンチSW面にのみ分布する。黒色を呈し、非常に柔らかい。材を挟在する。強腐植土のため上下の層との境界は明瞭であるが、上位の強腐植土である表土のA−a層と接する部分は区分が困難である。薄層状を呈し、見かけ上、上位のF−e層とともに現地表面に平行に、ごく緩やかに北西に傾斜している。
・F−e層:シルト(写真4−8)
No.4トレンチSW面にのみ分布する。非常に柔らかい淡褐色のシルトである。くさび状の堆積物の最上位に位置し、地表をなすA−a層に覆われている。見かけ上下位のF−d層とともに現地表面に平行に緩やかに北西に傾斜している。見かけはNE面のF−j層と非常によく似ているが、F−e層の方が柔らかい。
・F−f層:微細砂質粘土(写真4−9)
No.4トレンチNE面にのみ分布する。基盤岩の破砕帯とF層との境界に接し、北西側のF層中に分布する。白色〜灰白色を呈し、やや固い。見かけは基盤の破砕帯の粘土が白色化したものと似るが、基盤岩の破砕帯に比べ粘性が低く砂質である。
・F−g層:ローム質腐植質粘土混じり細砂〜中砂(写真4−9)
No.4トレンチNE面にのみ分布する。腐植質粘土混じり細砂〜中砂で、小角礫が点在する。基盤岩の破砕帯とF層との境界の上方延長において、E−a層と接している。地形的高まりに分布しているローム質のE−a層が小礫状に砕けてF−g層に落ち込み、混然となっており、E層とF層の境界は不明瞭である。暗褐灰色を呈する。
・F−h層:礫混じり細砂質シルト(写真4−9)
No.4トレンチNE面にのみ分布する。灰白色を呈する。F−b層、F−c層、F−g層、F−i層の間を埋めるように引き延ばされたような形状で、全体として上に凸にわん曲しながら分布する。各層との境界はやや明瞭である。
・F−i層:腐植質粘土(写真4−9)
No.4トレンチNE面にのみ分布する。中腐植質粘土で、黒褐色を呈する。非常に固く、均質であることが特徴である。F−g層、F−h層との境界は比較的明瞭である。
・F−j層:シルト(写真4−9)
No.4トレンチNE面にのみ分布する。やや固い淡褐色のシルトで、くさび状の堆積物の最上位に位置し、地表をなすA−a層に覆われている。現地表面と平行に緩やかに北西に傾斜している。見かけはSW面のF−e層と非常によく似ているが、F−j層の方が固い。