粘土質強腐植土のA−a層と粘土質〜シルト質微細砂のA−b層は、層相がかなり異なるが、No.1トレンチ、No.4トレンチともに連続的に変化することから同時異層と考え、A層としてまとめた。南東側が地形的に高くなるNo.4トレンチでは、SW面、NE面とも地形の変換点を境にA−a層とA−b層は比較的シャープに移り変わるが、地形的に平らなNo.1トレンチSW面では幅約1mの漸移帯をへて移り変わる。
A−a層、A−b層とも全般に腐植分を含むが、図4−2−1,図4−2−2,図4−2−3,図4−2−4,図4−3−1,図4−3−2,図4−3−3,図4−3−4,図4−4−1,図4−4−2の各スケッチにおいて、腐植の強弱はハッチの粗密で表現した。
・A−a層:粘土混じり〜粘土質腐植土
No.1トレンチSW面のグリッド5.0から北西側、No.4トレンチSW面のグリッド3.8から北西側、同NE面のグリッド4.8から北西側およびNo.3トレンチのSE面、同NW面のいずれも最上部に分布する。非常に軟弱な粘土質強腐植土であり、黒色を呈する。層相から湿地堆積物と思われる。現在の植物根が入り込み、礫径1〜3cmの小角礫が点在している。
トレンチ掘削のために重機が地表面を移動したことや、トレンチ掘削土を積んだため、乱されている可能性が高い。No.1トレンチNE面ではNW端の一部にのみ残っている。
・A−b層:粘土質〜シルト質微細砂
No.1トレンチSW面のグリッド4.0から南東側、No.4トレンチSW面のグリッド3.8から南東側、同NE面のグリッド4.8から南東側およびNo.2トレンチのSE面、同NW面のいずれも最上部に分布する。現在の植物根が多く入り込み、礫径1〜6cmの角礫が混入している。黒褐色〜暗褐色を呈する。層相から土壌と考えた。なお、No.1トレンチNE面では、トレンチを掘削する際に地表面を削ったため、分布は不明である。