3−1−2 屈曲したチャネル(C1〜8)

・小盆地北西斜面末端付近及び凹地化した湿地帯の末端付近から、多くのチャネルが流出している。

・分離丘及び微高地の間にあるチャネルの一部には、1.5〜数mの右屈曲が認められる。

・これらの右屈曲するチャネル以外に、地形の最大傾斜に斜交した直線状の不自然なチャネルも存在している。

・右屈曲した各チャネルの詳細を以下に記す。

C1

・重要露頭OU1と同じ場所である(写真3−2写真3−5)。

・断層破砕帯をまたいで、1.5〜2mの明瞭な右屈曲が認められる。

・表層は、黒ボクが薄く被覆している。

・最新イベントによって屈曲した可能性が高いと判断される。

C2

・分離丘H1とH2の中間に位置している。

・3本のチャネルが合流して流下しているが、そのうちの東側の1本に数mの右屈曲が認められる。

・被覆層の層厚は不明であるが、屈曲量は累積されている可能性がある。

C3

・分離丘H2とH3の中間に位置している。

・湿地帯S4の西端から流下するチャネルが数m右屈曲しているように見えるが、明瞭なものではない。

・被覆層の層厚は不明である。

C4

・分離丘H3の北北東側に位置している。

・数m右屈曲しているように見えるが、明瞭なものではない。

・被覆層の層厚は不明である。

C5

・分離丘H4の周辺に位置している。

・上流から複雑な屈曲を繰り返しながら流下している。

・この流路の途中には、旧流路跡と思われる凹地(L1)や、チャネルの侵食による小崖も認められる。

・H4の北北東側で、1.5〜2mの明瞭な右屈曲が認められる。

・被覆層の層厚は不明であるが、最新イベントによって屈曲した可能性がある。

C6

・微高地H5の西側に位置している。

・約4mの右屈曲が認められるが、土石流の跡を大きく迂回しているところから、断層活動による変位地形と判断するのは危険である。

・被覆層の層厚は1m以上である。

C7(写真3−3

・微高地H5からH6の北西側に位置している。

・北東−南西方向の直線状チャネル(延長約80m)と、それに直交して下流側が不明となるチャネルが認められる。

・直線状チャネルは、地形の最大傾斜方向に50゚程度斜交した不自然なものであること、原地形が良く保存されていることから、最新イベントで形成された変位地形そのものがチャネルを形成している可能性が高いと判断される。

・被覆層の層厚は不明である。

C8

・重要露頭OU6の下流側に位置している。

・沢の流路が20m程度右屈曲しているが、断層そのものを確認できなかったこと、小盆地側にかつて流れ込んでいた河川を争奪している側の谷であることから、断層活動による変位地形と断定できない。

・沢には砂礫が薄く堆積している。