・H1〜H6は、各々谷底の傾斜走向に平行に、全体として一直線状に小盆地の走向にやや斜交して並んでいる(区間長約550m)。
・これらは、北東側から南西側に向かって、次第に比高を増している。
・各分離丘及び微高地の詳細を以下に記す。
H1
・小盆地の南西端に位置する分離丘である。
・比高は20数mに達し、明らかに尾根が分離した小丘であると判断できる。
・分離丘の東と西側は現チャネルによって侵食されており、小盆地の北西側斜面とは首状に残った高まりでつながっている。
・分離丘の北側斜面には、三角末端面が形成されている。
H2
・H1の北東に並ぶ分離丘である。
・比高は10数mあり、明らかに尾根が分離した小丘であると判断できる。
・分離丘の東と西側は現チャネルによって侵食されており、小盆地の北西側斜面とは首状に残った高まりでつながっている。
H3
・H2の北東に並ぶ分離丘である。
・比高は10m程度で、明らかに尾根が分離した小丘であると判断できる。
・分離丘の東と西側は現チャネルによって侵食されており、H1、H2程明瞭ではないが、小盆地の北西側斜面とは首状に残った高まりでつながっている。
・分離丘の北西側斜面には、三角末端面が形成されている。
H4
・H3の北東に並ぶ分離丘である。
・比高は10m以下であるが、明らかに尾根が分離した小丘であると判断できる。
H5(写真3−3)
・林道を挟んで、H4の北東に並ぶ微高地である。
・比高は0.7m程度であるが、断層活動によって隆起した高まりと判断できる。
・H6に比べて有意に高く、比高からみて2回の断層変位を累積している可能性がある。
H6
・H5の北東に並ぶ微高地である。
・比高は0.5m以下であるが、断層活動によって隆起した高まりと判断できる。
・直線状のチャネルC7の南東縁に沿って細長く延びている。
・地形の新鮮さ、変位量の大きさからみて、最新のイベントで形成された可能性が高い。
H7
・分離丘H1とH2の中間付近の、小盆地北西側斜面にある分離丘である。
・比高は10m以下であるが、明らかに尾根が分離した小丘であると判断できる。
・牧ヶ洞断層に斜交する断層がこの分離丘の北西縁にあり、その活動によって形成された可能性がある。
H8
・屈曲したチャネルC5の上流で、小盆地北西側斜面を開削する沢の開口部付近にある。
・チャネルに平行して細長く延びる、比高数10cm程度の微高地である。
・断層変位地形ではなく、浸食をまぬがれた古い土石流堆積物の堆積面と思われる。