1) リニアメント1
リニアメント1は,小原川の南東側の山地斜面に前述の宮川断層により連続する長さ2.4qのリニアメントである。5つの鞍部が短い区間に連続するのが特徴的である。また山地斜面の高度不連続が明瞭で,北西側低下を示す。横ずれ成分については不明である。
2) リニアメント2
リニアメント1と同様小原川の南東側の山地斜面に,高度不連続として,長さ約 2.4qで認められる。
3) リニアメント3
リニアメント3は小原川から大原へ至る北東−南西方向の長さ0.8qと短いリニアメントである。直線的な谷と鞍部からなり,変位の向きは不明である。
4) リニアメント4
リニアメント4は大原東側の馬瀬川左岸より坂本峠を通過し坂本に至る,北東−南西方向の長さ3.7qのリニアメントである。直線的な谷と北西側低下を示す高度不連続が認められる。なお,西端側に同一方向の長さ0.8qと短いリニアメントが並行する。
5) リニアメント5
リニアメント5は坂本より奥長尾川上流へ至る東北−南西方向の長さ1qと短いリニアメントであり,直線的な谷と鞍部が認められ,北西側低下を示す高度不連続が認められる。
以上のリニアメント1〜リニアメント5は概ね北東−南西方向を示し,リニアメント4の西端部を除き1本のトレースを示すが,次に示すリニアメント6〜リニアメント8は走向がN60Eを示すことと,2本のトレースに分枝することがリニアメント1〜リニアメント5のものと異なっている。
6) リニアメント6
リニアメント6は,奥長尾川上流から野口北方1qへ至る長さ2.3qのリニアメントで,鞍部と部分的に直線的な谷が認められる。変位の向きは不明である。
7) リニアメント7
リニアメント7は,リニアメント6の南側1qに並行する関係にあり,奥長尾川から野口へ至る長さ2.3qのリニアメントである。鞍部と直線的な谷が認められ,西側 では南側低下の高度不連続が認められる。
8) リニアメント8
リニアメント8は,小倉よりその西方の谷へ延びる長さ1.4qのリニアメントで,直線的な谷からなる。変位の向きは不明である。
図5−45 リニアメント分布と地形面区分図(縮尺1:50,000)