5−9−1 概要

大原断層は,前述した宮川断層より連続する総延長30〜40qの断層であり,ここでは活断層研究会(1980)に従い,「萩原」地質図幅に入るものを大原断層と呼ぶ。

河田清雄・礒見博・杉山雄一(1988)によると,大原断層は,「北隣「三日町」図幅地域の飛騨一之宮付近からほぼ宮川に沿って南西に延び,本図幅地域の清見村大原及び明方村坂本を経て同村気良の西方に達する総延長約30qの断層である。大原断層は大原以北の地域では濃飛流紋岩類,大原から坂本にかけての地域では美濃帯の坂本峠層,坂本以南の地域では主として鳥帽子岳火山岩類の分布域を通過し,断層のトレースは全体として緩いS字状を描く。」と示されている。また活動性については,「大原断層は鳥帽子岳火山岩類を切っている可能性が高いことから,第四紀になってからも活動した断層と推定される。しかし,同断層が第四紀の後期に活動したことを示唆する地形的証拠は北東部を除いて乏しい。」と示されている。

活断層研究会(1991)によると,大原断層は北東―南西方向の長さ(20)q,確実度T,活動度B級の断層とされている。

図5−44 大原断層分布図(活断層研究会,1991)