5−8−4 宮川断層の活動性の評価

リニアメント1は飛騨一之宮の小盆地とその北側の山地との境界部に位置するものであるが,明瞭さには欠ける。また古い扇状地面に覆われているものの変位は認められない。

リニアメント2は宮川の南側に並行して認められ,比較的浅い2本の谷に右ずれ屈曲が認められるため,活断層であることが推定される。ただしこのリニアメントの中央と西側の深い谷には,右ずれ屈曲は認められない。

リニアメント3は河谷・尾根の右ずれ屈曲,山地斜面の高度不連続及び鞍部が東側では概ね連続して認められ,また大原断層へ連続してからも鞍部が密に認められるため,活断層であることが推定される。以上の結果を整理し,宮川断層に認められるリニアメントの評価を表5−8に示す。

表5−8 宮川断層におけるリニアメントの評価

宮川断層の活断層として評価される区間の長さは,リニアメント2とリニアメント3の推定区間の両端をとると全長で約10.2qとなる。なお後述する大原断層の推定区間を含めると約12.6qとなる。