5−5−4 巣野俣断層の活動性の評価
河田清雄(1982)によって報告された地点は,リニアメント2とリニアメント3の間に位置し,低位段丘とそれを覆う扇状地が分布する。これらの地形面上には断層崖と判断される崖は認められない。現地調査の結果でも,段丘堆積物が断層によって切られているかどうか確認できていない。ここでは,周囲する地形面に変位が認められないため,”活断層の可能性のある断層露頭”として取り扱い,活断層図ではリニアメント2とリニアメント3を同じ扱いとする。すなわち,活断層の疑いのあるリニアメントが伏在する,あるいは途切れる区間とする。上記の観点にたてば,巣野俣断層に分布するリニアメントの評価は次のように整理される。
表5−5 巣野俣断層におけるリニアメントの評価
以上の結果,巣野俣断層の活断層として評価される区間は,約2.5qと推定される(図5−28参照)。
図5−28 活断層図(縮尺1:50,000)