5−4−1 概要

牧ヶ洞断層は図5−17に示すように,高山市北部の赤保木町付近により清見村牧ヶ洞を経て,小鳥川の上流の清見村古屋付近まで連続する北東−南西方向に伸びる長さ20q,確実度T,活動度A〜B級の活断層とされる(活断層研究会,1991)。

また本断層の北東側ではその南側に並行する断層が,また南端部の延長上にある荘川村六厩から新軽岡峠にかけては短い断層が図示されている。ここではこれら2本の断層も牧ヶ洞断層の一部ないし延長部として取り扱う。

牧ヶ洞断層の分布域は大部分が高山市西方に広がる山地斜面中を通過している。途中,前原谷と牧谷川の河川横断部に沖積低地が,また県営種畜場付近に扇状地が広がる。また大倉滝上流にある小盆地に分離した小丘の存在が報告されている(河田清雄,1982)。

図5−17 牧ヶ洞断層分布図(活断層研究会,1991)