1) リニアメント1
宮川右岸戸市川沿い約3.5qの下数河から野口まで間に,谷の直線性のみにより長さ2qのリニアメントが認められる。活断層研究会(1991)では野口に分布する段丘に低断層崖を認めているものの,今回の判読では低断層崖に該当するものは認められなかった。
2) リニアメントの認められない区間
宮川左岸谷地区から黒内川下流の黒内までの約3qの区間には,沖積低地,段丘,扇状地が分布するものの,リニアメントは認められない(図5−7参照)。
3) リニアメント2
黒内側上流から脇谷上流部に長さ約2.5qの明瞭なリニアメントが認められる。両河川やその支谷と尾根に系統的な右ずれ屈曲が認められ,屈曲量は最大で約200mとみられる。
4) リニアメント3
増谷上流部に長さ約1.8qの明瞭なリニアメントが認められる。河谷と尾根の右ずれ屈曲が認められるとともに,直線的な谷を形成する。
5) 不鮮明なリニアメント
増谷下流部に長さ0.5〜0.8qと短いリニアメントが山地斜面と高度不連続より3本が認められる。いずれも鮮明さに欠ける。
6) リニアメント4
小鳥川左岸森茂峠に至る谷に,谷の直線性と鞍部の存在から長さ約1.8qのリニアメントが認められる。ただし鮮明さに欠ける。
活断層研究会(1991)によると段丘や扇状地に対して変位を与えている低断層崖が2か所で報告されているものの,今回の空中写真判読結果では認められていない。
図5−7 リニアメントの分布と地形面区分図(縮尺1:50,000)