5−11−4 無数河断層の活動性の評価

無数河断層には,3本のリニアメントが認められるが,その大部分は山地斜面を通過し,高度不連続が認められるものの活動性を評価することは困難である(表5−11)。 リニアメント2の東端付近の斜面に崖が認められるが,今回の調査では断層崖と判断し得る確証は得られていない。

なお,山田直利・足立守・梶田澄雄・原山智・山崎晴雄・豊遙秋(1985)によると,船山北東麓の崩壊斜面に比高20mの崖が認められ,成因と位置から断層崖と判断されている。また,牛臥山の平坦面と断層の方向性より,断層の存在を示しているが,ここでは河川浸食によって形成された可能性も考えられ,活断層と判断するにはその根拠に乏しいものと判断する。

したがって,無数河断層は活断層である可能性は考えられるものの,その活動性については不明である。

表5−11 無数河断層におけるリニアメントの評価