1) 断層F−1(3)は、南壁面のA(3)層とB(3)層中に認められるもので、B(3)層の上端付近で不明瞭となる。この断層は、C(3)層に変位を与えているかどうか不明である。断層の傾斜は45゜W前後である。後述する断層F−2(3)から分枝しているように見える。また、この断層の両側には変位基準となる明瞭な地層面が認められないため、断層に沿った変位量の見積りはできない。
2) 断層F−2(3)は、北壁面と南壁面に認められる。この断層は、A(3)層〜C(3)層までを切断し、その上端はH(3)層で覆われる。断層の傾斜は5〜20゜Wを示すが、地表近くでは60゜の高角度となる。また、断層に沿った変位量はF−1(3)と同様な理由により見積ることはができない。
3) 断層F−3(3)は、北壁面と南壁面に認められる。この断層は、A(3)層〜D(3)層までを切断し、その上端はH(3)層で覆われる(写真4−9参照)。断層の傾斜は40゜Wを示すが、地表近くでは20゜の低角度となる。また、断層F−3(3)は、D(3)層を0.7m以上にわたって切断している。
4) 断層F−1(3)とF−3(3)に挟まれた部分では地層の変形が認められる。これは断層によって生じた断層帯(地層の変形帯)とみなせる。
5) 実測した地形断面をもとに、断層帯を挟むE(3)層基底面の比高は1.4mと求められる(図4−29参照)。