北壁面では、A(2)層及びB(2)層を切断し、西に35゜傾斜している。断層の上端は、2(2)層で覆われる。南壁面では、A(2)層からE(2)層までの地層を切断し、西に30゜傾斜している。断層の上端は4(2)層で覆われる。
トレンチの両壁面を見通すと断層の走向はN36゜Wで、傾斜は32゜Wとなる。この断層は、A(2)層では礫の再配列が明瞭に認められる。また、D(2)層では細礫が引きずられる構造が明瞭に認められる(写真4−6参照)。
トレンチ壁面上で、断層に沿って直接、読みとれる変位量は次のとおりである。
北壁面 B(2)層基底面………0.50m
南壁面 E(2)層基底面………0.15m
〃 D(2)層基底面………0.25m
〃 C(2)層基底面………0.30m
断層F−2(2)は、江戸時代末期〜明治時代初期にかけて造られた水路を埋めた土及び水路の底に敷いた粘土で覆われている(池田町教育委員会、横幕大祐氏談)。また、南壁面では、土器片を含む盛土で覆われ、この盛土からは数カ所で12〜14世紀と推定される土器片が出土している(池田町教育委員会、横幕大祐氏鑑定)。