地表踏査結果によると,本地区付近において,双葉断層は,西側の白亜系基盤岩類と東側の中新統湯長谷層群とを境しており(図4−42,図4−43),請戸川左岸において断層露頭が確認される(図4−44)。湯長谷層群とその東側の鮮新統の仙台層群久保間層及び富岡層とは不整合関係にあり(図4−42,図4−43),請戸川左岸において西側の湯長谷層群水野谷層と東側の久保間層との不整合露頭が確認される(図4−45)。請戸川左岸で確認された断層を覆ってその直上に分布するL3 面に変位・変形は認められない(図4−46)。さらに,断層の南方延長部に広く分布するL2 面にも変位・変形は認められない(図4−47)。
空中写真判読結果によると,請戸川右岸の丘陵内にはLD リニアメントが判読され(図4−41),リニアメントの位置は西側の湯長谷層群の水野谷層と東側の富岡層との境界に対応しているが(図4−42,図4−43),同境界には断層は認められず,上記のように,水野谷層と富岡層とは不整合関係で接していることが確認されている(図4−45)。したがって,リニアメントは,両側の岩石の岩質の差を反映した侵食地形と判断される。
これらのことから,本地区においては,少なくともL2 面形成期以降における双葉断層の活動はないものと判断される。