しかし、既存文献による福島盆地西縁断層の活動様式や過去の地震記録からこの断層系がエネルギーの分割放出型の活動をしているとの報告がある(松田,1975)。また、新屋(1984)はこの断層系の北東部と南西部では最新活動時期に差が考えられることを指摘している。
断層の連続がどの程度のものであるかは、その断層の起こしうる地震の規模に大きく関わるため、この地域において断層が連続するか否かの検証は福島西縁断層帯の地震規模を想定するうえで重要となる。
このため本調査では活断層の表層に達する位置を確定するためではなく、地下構造を測定することで断層の有無を確認することを主目的として、飯坂地区の東側と西側にそれぞれ約1kmの測線を設定し深度200mまでを対象とした非爆薬震源P波インパクタによる反射法地震探査を実施した。測線の位置は既存文献および空中写真判読によるリニアメントの想定位置を横断する形で設定している。