(2)芝原テフラ(SB:鈴木,1993)

沼沢カルデラ周辺を給源とする降下テフラで,層厚は会津高田町旭之寄Loc. m38で最も厚く55cm,北に向かって層厚を減じ,新鶴村立石田Loc.m17 で25cm,会津坂下町以北では確認していない。黄色で結晶質の発泡の良い軽石層で,直上に層厚5cm以下の黄灰色細粒火山灰を,直下に層厚4m以下の灰白色極細粒〜中粒火山灰を伴う。同テフラの鉱物組成は,ガラスがスモールバブル型≫平行型>スポンジ型で,軽鉱物では斜長石及び高温石英を多く含む。重鉱物組成は普通角閃石≫カミングトン閃石で黒雲母を含む。屈折率は,ガラスが1.496−1.503,普通角閃石が1.672−1.686,カミングトン閃石が1.662−1.667である。同テフラの年代はフィッション・トラック 年代により約11万年前と推定されている(鈴木ほか,1998)。この年代は御岳第1テフラ(On・ Pm1)と阿蘇4テフラ(Aso−4) との層位関係とも矛盾しない。