4−6−3 第2トレンチの調査結果

第1トレンチの調査結果を踏まえ、より深部の構造を明らかにすることを目的に、第1トレンチの北方約40mの位置で第2トレンチを掘削し、調査を実施した。北側法面のスケッチと写真を図4−20−1図4−20−2図4−20−3図4−20−4に、南側法面のスケッチと写真を図4−21−1図4−21−2図4−21−3に示す。また、テフラ分析結果を図4−22−1図4−22−2図4−22−3図4−22−4、に示す。

本トレンチには、第1トレンチと同様に、黒色土壌の直下に沼沢−沼沢湖テフラ(Nm−NM)が分布し、その下位に礫層及びローム質シルトが分布する。沼沢−沼沢湖テフラよりも下位の堆積物を層理、堆積構造から便宜上、上位よりa層、ローム質シルト層、b層、c層、d層に区分する。

最下位のd層は、トレンチの西側に分布し、礫混じり砂質シルトからなり、70°〜80°東急傾斜を示す。その上位に重なるc層は、礫層からなり、急崖の基部(リニアメント上に)で60°〜70°東傾斜を示し、崖の基部より東側では水平となっている。このことから、撓曲変形していることは明らかとなった。

一方、c層を覆うローム質シルトはc層と同程度傾斜し、基部の東側では、礫層からなるb層と指交している。b層及びa層は崖の基部でローム質シルトにアバットしている。b層の年代は、14C年代測定結果から約9000y.B.Pよりも古いと考えられる。また、沼沢火砕流堆積物は第1トレンチと同様にほぼ層厚一定のまま崖の基部で40°程度まで急傾斜となっている(図4−20−4)。