4−6−2 第1トレンチの調査結果

北側法面のスケッチと写真を図4−18−1図4−18−2に、南側法面のスケッチと写真を図4−19−1図4−19−2に示す。

本トレンチには、黒色土壌の直下に厚い沼沢−沼沢湖テフラ(Nm−NM:鈴木・早田(1994)が再定義)及びその下位に礫層(第2トレンチのa層に相当すると思われる)が分布する。沼沢−沼沢湖テフラ及びその下位の礫層は、いずれもトレンチの東側では、ほぼ水平であり、西側では、地形面と同程度の傾斜で、より西側で傾斜を増す。沼沢−沼沢湖テフラは、下位の火砕流堆積物と上位の降下堆積物とからなり、火砕流堆積物は厚さ30cm〜50cmで、層厚に有為な変化はなく、トレンチの西側で約30°とやや急な傾斜を示す。

なお、両側の法面において、礫層中に撓み状の構造が認められる(図4−18−1図4−19−1)。同様の構造は、後述の第2トレンチ南側法面で認められるものの、その下位のローム質シルトはほぼ水平であることから、この構造は、堆積構造の可能性が高い。